漫画家を夢見る若者の“青春エレジー”
『アオイホノオ』は、1980年代初頭の漫画業界を舞台に、若き日の焔燃(ホノオ・モユル)が「漫画家になる」という夢を追いかけ、もがき、転び、立ち上がる姿を描いた作品です。
ギャグとシリアスが入り混じる独特のテンポ、実在の漫画家やアニメ業界の空気をリアルに取り込んだ時代感が魅力で、単なる青春ストーリーではなく“漫画オタクの青春史”として多くの読者に共感を与えています。
漫画家志望の人はもちろん、あの時代を知る世代や、レジェンドたちの黎明期を覗いてみたい人にとって、まさに“時代を超える面白さ”を持ったシリーズです。
序盤(1〜3巻)の魅力と導入
1〜3巻では、焔燃が大阪芸術大学に通いながら、漫画家を志す仲間やライバルたちと出会うところから始まります。
当時の漫画界のスターたち――庵野秀明や赤井孝美、高橋留美子など実在の人物が学生や若手として登場し、彼らと比較されてしまうことでホノオの劣等感と野心がコミカルかつ切実に描かれます。
「俺だっていつか有名になる!」という夢と、「まだ何もできていない」という焦燥感。そのギャップが笑いを誘いながらも胸に迫り、気づけば焔燃を応援してしまう。
この序盤の“熱量”こそ、シリーズ全体を貫くエネルギーの源になっています。
第32巻の見どころ
2025年9月18日に発売予定の『アオイホノオ(32)』は、物語が大きな転機を迎える巻になりそうです。
週刊連載『炎の転校生』の人気が上昇し、作家としての立場を確立しつつあるホノオ。そんな彼が謝恩会で挨拶を交わしたのは、憧れの高橋留美子先生。そしてなんと、まさかの仕事場訪問のお誘いが──!?
さらに、1984年を代表する劇場版アニメの公開が重なり、ホノオは自身の仲間やライバルが関わる大舞台に直面。マウント武士の“叫び”がホノオの心を揺さぶり、精神的に追い詰められる展開も描かれそうです。
笑いあり、絶望あり、そして感動あり。青春エレジーの絶頂期と銘打たれるだけあり、ファンにとって見逃せない1冊です。
シリーズの特徴と面白さ
『アオイホノオ』のユニークな点は、フィクションと実在の人物・出来事が融合していること。
当時の漫画業界をリアルに知る世代は懐かしさを味わえ、初めて触れる人も「こんな時代があったのか!」とワクワクできます。
また、焔燃のリアクション芸ともいえる大仰なセリフ回しや表情が、読者の笑いを誘う一方で、夢に向かってあがく人間のリアルさも浮かび上がらせています。
発売日と予約情報
『アオイホノオ(32)』は、ゲッサン少年サンデーコミックス(小学館)から2025年9月18日発売予定。
同日に週刊少年サンデー連載『ヴァンパイドル滾』1巻も発売予定なので、合わせてチェックするのもおすすめです。
人気シリーズの新刊は早期に売り切れる可能性があるため、楽天やAmazonでの予約が安心。発売日に確実に手に取るためにも、早めの予約をおすすめします。
こんな人におすすめ!
- 1980年代の漫画・アニメ業界に興味がある人
- 夢を追いかける青春物語を楽しみたい人
- 高橋留美子や庵野秀明など、実在のクリエイターとの関わりにワクワクする人
- 笑いと共感が同居する人間ドラマを求めている人
- 新川直司や島本和彦系の熱量ある作風が好きな人