極限バトル×成長ドラマ――ケンガンらしさ全開の面白さ
『ケンガンオメガ』は、サンドロビッチ・ヤバ子(原作)×だろめおん(作画)の黄金コンビが描く、超ド級の格闘エンタメ。
企業同士が利権を賭けて格闘家を送り込み、檜舞台で拳を交える――という世界観は、前作『ケンガンアシュラ』からの伝統。そこに、新世代の主人公・成島光我(こうが)と、どこか影を背負うガオウ龍鬼(りゅうき)が絡み合い、「勝つ理由」や「強さの意味」を掘り下げるドラマが重なるのが『オメガ』の魅力だ。
ビジネスがうごめく舞台裏、異能の格闘技術、笑えるやり取り、そして一瞬で空気が凍る殺気――ページを開くたびに“ケンガンワールド”の濃度が上がっていく感覚が楽しい。格闘漫画が好きな人はもちろん、物語として“人間の覚悟”を味わいたい人にも刺さる。
1〜3巻の序盤はここが入り口:世界とキャラクターにスムーズに入れる
初めて読む人でも入りやすいのが『オメガ』の良さ。1〜3巻あたりの序盤では、光我が強さに飢えた若者として登場し、ケンガンの世界に興味を持つところから物語が動き出す。
やがて彼は異様なまでの殺気と技を持つ龍鬼と出会い、同世代の二人は似て非なる「強さ」を目指して走り出す。企業同士の思惑、古株実力者たちの圧、そして前作から続く影――読者は光我の視点でルールを学び、ジムでの鍛錬、実戦の洗礼、情報戦の温度感に自然と慣れていける。
序盤のバトルは殴り合いだけじゃない。構えの差、呼吸の奪い合い、カウンターの仕込み、クリンチワークの意味など、「技術が物語る」描写が多く、試合展開の説得力が抜群。だからこそ、一撃が決まった瞬間のカタルシスが強い。
『ケンガンアシュラ』を未読でも大丈夫。因縁や系譜は丁寧に拾われ、固有名詞は会話やモノローグで自然に説明されていく。まずは序盤で空気に馴染み、気づけば“企業×格闘”の構図と、光我と龍鬼の距離感に夢中になっているはず。
第30巻の注目ポイント(発売前の見どころ)
節目の第30巻(裏少年サンデーコミックス/小学館・2025年9月19日発売予定)は、まさに“武の王道”を貫く巻になりそう。
光我と龍鬼は、呉一族の屋敷での濃密な特訓を経て、あの雷庵との一騎打ちに挑む段階へ。容赦ない攻撃の連続の中で、二人がどこまで“積み上げ”を証明できるのか――成長の検証戦として期待が高まる。
一方で、樹海で修行を続ける若槻武士には、片原滅堂の采配により四代目“滅堂の牙”・王森正道との対戦の可能性が浮上。伝説の肩書同士が交差する展開は、系譜と看板の重さが実力で語られるケンガン流の醍醐味。ここから先のトーナメントや企業間の駆け引きに、確実に波紋を広げていきそうだ。
大台の巻数にふさわしく、技術・覚悟・理念の三拍子がぶつかる「分岐点」になり得る巻。発売前のいまから、試合順やセコンドの戦略、コンディションの作り方など、細部の描写にも注目したい。
『ケンガンアシュラ』との関係がより面白くする
関連作『ケンガンアシュラ』を知っていると、技巧派の系譜や企業の思想、歴代の化け物じみた強者の“匂い”が一段と濃く伝わる。
ただし『オメガ』は「継承」と「更新」を同時にやってのける。前作の遺伝子を受け継ぎながらも、光我と龍鬼が見せる“いまの最適解”で強さを再定義していくから、30巻という長さがむしろ武器。キャリア、怪我、ピーキング、減量、情報統制――積み重ねが効いてくる領域に物語が入っていくほど、各ラウンドの一手一手が重くなる。
発売日・基本情報(予約キーワード込みでチェック)
『ケンガンオメガ(30)』は、2025年9月19日発売予定。
レーベルは裏少年サンデーコミックス、出版社は小学館。原作:サンドロビッチ・ヤバ子、作画:だろめおんというおなじみの体制だ。
人気シリーズの節目巻は品切れが早いことも多いので、発売日前の予約が安心。発売日当日に読みたい人は、楽天ブックス・Amazonでの予約をお忘れなく。
こんな人におすすめ!
- “技術で語る”格闘漫画が好き(間合い・崩し・カウンターの理屈が知りたい)
- 努力と才能の両方がぶつかる成長ドラマに燃える
- 企業×格闘の政治劇や、水面下の駆け引きにゾクゾクする
- 『ケンガンアシュラ』からの系譜や異能の必殺技が大好物
- 大台の巻数で物語が“大きく動く瞬間”をリアルタイムで味わいたい
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