この作品、読むたびに胸の奥をぎゅっと掴まれる…
「みいちゃんと山田さん」は、かわいいタイトルから想像する雰囲気をいい意味で裏切ってくる作品。
日常系っぽく見えるのに、中身はかなり重たくて、生々しくて、でも目を逸らせない。
読んでて楽しいだけじゃなくて、「これは現実にもある話かもしれない」って思わされる瞬間が多くて、静かに心に残るんだよね。
キャラ同士の会話は淡々としてるのに、その裏にある感情が重なりすぎてて、ページをめくるたびに息が浅くなる感じ。
KCデラックスらしい大人向けのテーマを、亜月ねね先生がめちゃくちゃ繊細に描いてる作品。
1〜3巻あたりの序盤はどんな物語?
序盤は、歌舞伎町のキャバクラ「Ephemere」で働くみいちゃんと、ちょっと不器用で真面目な山田さんの出会いから始まる。
明るくて軽そうに見えるみいちゃんだけど、過去や環境が少しずつ明かされていくにつれて、「あ、これは簡単な話じゃないな…」って空気に変わっていくのが印象的。
一方の山田さんも、優しさはあるけど自分を後回しにしがちで、その不安定さがみいちゃんと妙に噛み合ってしまう。
恋とか友情って一言で言えない、依存と救いが混ざった関係性が、序盤からじわじわ積み上がっていく感じで、気づいたら深いところまで連れていかれる。
みいちゃんと山田さん(5)はシリーズの中でも特に重たい局面
みいちゃんと山田さん(5)では、物語がかなりシリアスな方向に進む。
歌舞伎町のキャバクラ・Ephemereを辞め、忽然と姿を消してしまったみいちゃん。
その理由が、DV彼氏・マオくんにお金を渡すため、より過酷な風俗嬢として働いていた、という事実なのがもうしんどい…。
一方で、みいちゃんを失った喪失感に苦しむ山田さんの前に、実の母親が現れる。
“親の愛”という名の正論が、山田さんの心をじわじわ追い詰めていく描写がリアルすぎて、読んでて刺さる人かなり多そう。
愛情と支配、肉親と恋人。
どちらも「愛」なのに、なぜこんなに苦しくなるのかっていうテーマが、真正面から描かれていく巻になりそう。
そして、歪な関係を断ち切れないふたりが、ひとつ屋根の下で肩を寄せ合って眠る――
ふたり暮らしが始まるという展開は、救いなのか、それとも新たな依存なのか。
この巻はシリーズの中でも大きな転機になりそうな気配が強い。
みいちゃんと山田さん(5)の発売日と予約情報
発売日は 2025年12月23日。
年末に向けて気持ちが忙しい時期だけど、これは腰を据えて読みたい一冊。
重たいテーマだからこそ、一気読みしたくなる人も多いと思うし、発売日に確実に手に入れたいなら予約がおすすめ。
こんな人におすすめ!
- 人間関係の歪さや依存を描いた作品が好きな人
- 可愛い絵柄×重たいテーマに弱い人
- 夜の街を舞台にしたリアル寄りの物語が読みたい人
- 読後にずっと考え込んでしまう漫画が好きな人
- ハッピー一辺倒じゃない物語を求めている人

