ネットの「他人事」が一気に自分事になる怖さ、ここにある
「しょせん他人事ですから」は、タイトルだけ見るとちょっと突き放した感じなんだけど、
読んでみるとむしろ真逆で、現代社会のリアルがめちゃくちゃ突き刺さってくる作品。
誹謗中傷、炎上、情報開示請求、殺害予告…。
ニュースやSNSで見かける出来事を、弁護士の視点から淡々と、でも生々しく描いていくのがこのシリーズの強さなんだよね。
感情論で煽るんじゃなくて、「法律的にはどうなるのか」「現実にはどう処理されるのか」をちゃんと見せてくるから、
読み終わったあとにSNS触る手がちょっと慎重になるタイプの漫画。
TVドラマ化されたのも納得で、エンタメとして面白いのに、ちゃんと考えさせられるバランスがほんと絶妙。
1〜3巻あたりの序盤を知ると世界観がスッと入る
物語の軸になるのは、とある弁護士と、そのもとに持ち込まれる「ネット絡みのトラブル」。
最初は
「こんなの気にしなきゃいいのに」
「ちょっと言い過ぎただけでしょ」
って思いがちな案件が多いんだけど、読み進めるほどに、それがどれだけ現実を壊すかが見えてくる。
1〜3巻あたりでは、誹謗中傷や個人情報流出といった身近すぎる問題が中心で、
「これ、普通に誰でも当事者になりうるやつ…」ってゾワっとする展開が多め。
弁護士の冷静な対応と、被害者・加害者それぞれの感情のズレが描かれていて、
ただの勧善懲悪じゃ終わらないところが、この作品の読み応えなんだよね。
第10巻はSNS時代の闇がさらにリアルに
第10巻では、地方から上京してきた新大学生・ヒナが物語の中心に。
オシャレに目覚めて、SNSで「好き」を発信し始めたら、
気づけばフォロワー7000人超えのプチインフルエンサーに。
一見キラキラしてる展開なんだけど、
そこから届き始める違和感のあるコメント、悪意のある言葉、
そしてまさかの殺害予告や大学の爆破予告へと話が転がっていくのが、怖すぎてリアル。
「どうしてそうなるの?」って思う展開ほど、
現実でも普通に起きてるのがこのテーマの一番しんどいところ。
第10巻は、
SNSで発信する側
見る側・書き込む側
その両方に刺さる転機になりそうな内容で、シリーズの中でもかなり重めな巻になりそうな予感。
法律監修ありだからこその説得力
このシリーズは、法律事務所アルシエンによる監修が入っているのも大きなポイント。
開示請求の流れや、警察・大学・弁護士の動き方がかなり具体的で、
「漫画だから盛ってるでしょ?」って思えないリアルさがある。
エンタメとして読めるのに、
「知識として知っておいたほうがいいこと」が自然に頭に入ってくるのが強い。
発売日・予約情報
発売日:2025年12月25日
年末発売だから、まとめ読みや年末年始の一冊にも向いてるタイミング。
ヤングアニマルコミックスは固定ファン多いし、
シリーズ追ってる人は予約しておくと安心だと思う。
こんな人におすすめ!
- SNSやネットトラブルのリアルな話が気になる人
- ドラマ版を見て原作も読みたくなった人
- 誹謗中傷・炎上問題をちゃんと理解したい人
- 社会派だけど読みやすい漫画を探している人
- 「自分も当事者になるかも」と感じたことがある人

