『ドラゴンクエスト ダイの大冒険 勇者アバンと獄炎の魔王』15巻は、魔峡谷で封印されたアバンが思わぬ協力者を得て、ベルクスとの決着へ向かう一冊。
魔弓のヒヒとの共闘、これまでと違う戦い方を見せるアバン、そしてベルクスを生み出した者まで現れ、戦いの裏側にあった事情も見えてきます。
今回は、特に驚いたアバンの怒りやヒヒとの関係、ライゼの結末、戦いを終えた後に残る喪失感を中心に3人でネタバレ込みの感想会。
勇者ではなく一人の人間として見えたアバンの姿と、次巻へ残された痛みを語ります。
作品名:ドラゴンクエスト ダイの大冒険 勇者アバンと獄炎の魔王 15
作者:芝田 優作、三条 陸
出版社:集英社
発売日:2026年5月1日
助けに来たのがヒヒって分かった瞬間、疑うより先にワクワクした
ミコ:封印されたアバンを誰が助けるのかと思ったらヒヒだったの、かなり意外だったよ。ベルクス側の存在と組んで脱出する流れになるとは想像してなかったな。
ユナ:意外なのは同じだけど、私は最初から完全には信用できなかったな。仲間への復讐が理由だから、アバンへの善意とは違う危うさがずっと残って見えたよ。
サキ:その危うさがあったから、ヒヒが身体を張るところで余計につらくなった! 最初は疑って見てた相手なのに、途中から無事でいてほしくなってたもん。
ミコ:気持ちが変わるの分かる。アバンも相手の立場を利用するだけじゃなく、ヒヒと一緒に突破口を探してる感じがして、妙な共闘なのに熱かったよね。
ユナ:共闘でいうと、アバンが魔弓を使って残りのベルクスに対抗するのも好きだった。いつもの戦い方じゃないのに、その場で最善を選ぶところはアバンらしい。
サキ:魔弓を構えるアバン、普通に格好よくて困ったよ! 追い詰められてる状況なのに、手元にあるものを使って戦う姿を見ると急に頼もしくなるんだよね。
ミコ:頼もしさの裏で、今回は戦い方そのものに余裕がなく見えたのも気になったな。勝つためというより、絶対にここで終わらせるって圧を感じた気がする。
ユナ:私はそこにヒュンケルのことも重なって見えたよ。冷静に状況を読むアバンは変わらないのに、判断の奥に個人的な怒りが混ざってる感じが怖かった。
サキ:その怒りを知ったあとだと、ヒヒとの共闘まで違って見えるよね。先生らしい穏やかさだけじゃないアバンを見せられて、ずっと心がざわざわしてた。
そんな顔するんだ…怒りに沈んだアバンを見たら息が止まりそうになった
ミコ:アバンの目から光が消えたように見える場面、本当に一瞬ページをめくる手が止まったよ。いつもの笑顔を知ってるほど、あの怒りが別人みたいで怖かった。
ユナ:怖かったけど、私はむしろ今まで表に出なかった感情がやっと見えた気がしたな。理性的なアバンにも、当然憎しみや悔しさはあるんだって感じたよ。
サキ:分かってても実際にあの顔を見るとつらいよ! ヒュンケルを救えなかったことまで抱えてると思うと、怒ってるのに泣いてるみたいにも見えちゃった。
ミコ:怒りだけじゃ説明できない顔だったよね。自分への悔しさや情けなさまで混ざってるようで、勇者としてじゃなく一人の若者に見えたのが残ったな。
ユナ:若さって大きいかも。後のアバン先生を知ってるから落ち着いた人物として見がちだけど、この時点では失敗して傷ついて、それでも進む途中なんだよね。
サキ:後の姿を知ってるせいで余計に「ここからあの先生になるの?」ってなるよ! 立ち直る未来は分かってるのに、今の苦しさが軽くならないのがしんどい。
ミコ:未来を知ってても安心できない前日譚って不思議だよね。生き延びるかより、どうやってこの経験を抱えて生きるのかのほうが気になってきちゃった。
ユナ:私はフローラへの思いも引っかかったな。自分が何もできなかったと感じてるからこそ、帰る場所があることまで苦しさにつながってるように見えたよ。
サキ:帰れる場所があるのに帰りづらいって切ないよね。それでも誰かに弱った顔を見せてほしいし、アバンが一人で全部背負うのだけはやめてほしくなった。
ライゼを壊すしかない結末、勝ったはずなのに全然すっきりしない
ミコ:ベルクスを倒せば爽快に終われると思ってたのに、ライゼの成り立ちを知ると気持ちが止まったよ。最初からただの魔剣だったわけじゃないんだね。
ユナ:そこが私は一番引っかかった。ライゼのために生まれた剣が、怒りや焦りを受け続けて変わったと思うと、道具だけを悪者にはできない感じがしたな。
サキ:しかも最後に壊されるのがつらかったよ! やってきたことを考えれば止めなきゃいけないのに、生まれた理由まで知ったあとだと素直に喜べなかった。
ミコ:その終わらせる役を創造した側が担うのも重いよね。アバンが全部倒して終わりじゃなく、生み出した存在への責任が別の形で返ってきたように感じた。
ユナ:ロン・ベルクにつながる一族だと分かるところも印象的だったな。『ダイの大冒険』で知ってる武器の在り方と比べると、ライゼの悲しさが際立つよね。
サキ:ダイの剣を思い出すと余計に苦しい! 持ち主のためにある武器と、持ち主の思いに飲まれてしまった武器って、似てるのに行き先が全然違うんだもん。
ミコ:似た出発点から別の結末になるのが面白いところだね。強さを求め続けること自体が、どこから危うくなるのか考えながら読んじゃったよ。
ユナ:ただ私は、ライゼ自身にも意思があるように見えるから単純な教訓にはしたくないな。人と武器の境目が曖昧になった存在として記憶に残った感じ。
サキ:記憶には絶対残るよ。倒した敵なのに「終わってよかった」だけにならなくて、最後の姿を思い出すと今でも少し胸の奥が重くなるんだよね。
ロカの墓を前にしたアバン、知っていた未来なのにやっぱり耐えられない
ミコ:激しい戦いが終わったあとでロカの墓が出てくるの、本当にきつかった。ベルクスを倒した達成感より、アバンが失ったものの大きさを突きつけられたよ。
ユナ:私はマトリフたちが命を削って世界を守ったのに、その後まで幸せとは限らないことが重かったな。魔王を倒せば全部解決じゃなかったんだよね。
サキ:それ考えると悲しくなるよ! ロカのことは未来を知ってたはずなのに、アバンと一緒に墓を見ると初めて知ったみたいな気持ちになって泣きそうだった。
ミコ:前日譚だから結末を知ってる人物も多いのに、そこへ至る感情を見せられると全然違うんだよね。アバンが何を抱えて先生になるのかも見え始めた気がする。
ユナ:ヒュンケルを救えなかったことも、この先ずっと残るんだろうね。だからこそ次の世代を育てるアバンの姿に、以前より重い意味を感じるようになったな。
サキ:先生になった未来を思うと少しだけ救われるよ。でも今はまだそんな先を見られる状態じゃなさそうで、誰か早くアバンを休ませてって言いたくなる!
ミコ:休む時間が来るのかも気になるね。ベルクスとの戦いには区切りがついたけど、アバン自身の傷は何ひとつ終わってないように見えるんだよな。
ユナ:そこからどう立ち直るかが次の大事な部分になりそう。今巻で勇者の強さだけじゃなく脆さまで描かれたから、その後の選択をじっくり読みたいよ。
サキ:私はもう幸せな場面を少しくださいって気持ち! 次巻で新しい出会いがあったとしても、その前にアバンがちゃんと笑える瞬間を見せてほしいな。
『ドラゴンクエスト ダイの大冒険 勇者アバンと獄炎の魔王』15巻は、ベルクスとの激戦以上に、怒りや悔しさをむき出しにするアバンの姿が強烈に残る一冊でした。
ヒヒとの意外な共闘や魔弓を使った戦闘、ライゼの成り立ちなど、『ダイの大冒険』につながる要素を味わいたい人にもおすすめです。
敵を倒しても爽快感だけでは終わらず、ロカやヒュンケルをめぐる喪失まで重く残るのが印象的。
次巻では傷ついたアバンがどう立ち直り、後の「先生」へ近づいていくのか見届けたいです。
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