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『雪と墨』9巻 感想・ネタバレ|姉の顔で戦うフレイヤ、姉妹の再会が痛いほど張りつめる

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追放された名家の令嬢フレイヤと、彼女に買われた大罪人ネネオを描く『雪と墨』9巻。
今回はフレイヤが長い髪を切り、瓜二つの腹違いの姉アンナに扮して、ドレッドの謀略を阻もうと政界や経済界の要人たちと渡り合います。
過去の経営者としての失敗まで利用するフレイヤの強かさ、彼女を守ろうとするネネオの覚悟、そして居場所を奪われる不安から妹へ銃口を向けるアンナ。
この記事では、そんな緊迫した展開や二人の距離の変化を、読了直後の三人がネタバレ込みで語ります。

作品名:雪と墨(9)
作者:うの花 みゆき
出版社:講談社
発売日:2026年03月18日

あの長い髪を切るフレイヤ、覚悟が見えるほど切なくなった

ミコ:フレイヤが長い髪を切ってアンナに容姿を近づけるところ、作戦だと分かっていても胸がざわついた。ネネオに何度も撫でられた髪だから、余計に重く見えたんだよね。
ユナ:髪に二人の時間が重なってるからね。でも私は、そこまでしてアンナに扮するフレイヤの切り替えの速さが印象的だった。感傷だけでは止まれない状況なんだって感じた。
サキ:その強さを見るほど私は寂しくなったよ! 髪を切るって見た目を変えるだけなのに、ネネオとの思い出まで切り離して戦いに向かうみたいで、かなり苦しかったな。
ミコ:切り離すように見える一方で、ネネオはフレイヤを守るため自分のトラウマに触れてまで動くんだよね。二人とも楽な道より相手を守るほうへ行くのが似てきた気がする。
ユナ:似てきたというより、私は違うまま支え合ってる感じが好きかな。フレイヤは外へ出て状況を動かし、ネネオは自分の痛みを抱えて彼女を守ろうとするのが対照的だった。
サキ:その違いがあるから、手の甲へのキスがすごく残った! 派手に何かを誓うより、フレイヤを守りたい気持ちをそっと預けるみたいで、あの仕草は何度も見返したくなる。
ミコ:キスをお守りみたいに受け取れるのも、ここまで積み重ねた関係があるからだよね。最初から甘い二人じゃなかった分、言葉以外で伝わるものが増えたのが嬉しかった。
ユナ:そこは分かるけど、距離が近づくほど互いを全部理解できるわけじゃないのも面白いんだよね。大切に思うことと、相手の内側まで分かることは別なんだと感じたな。
サキ:全部分からなくても守ろうとする二人だから刺さるのかも! 私は髪と手の甲へのキスを続けて思い返すと、離れて動いていても二人の関係が薄れてないって感じられたよ。

アンナの顔を借りて戦うなんて、フレイヤの強かさが怖いほど光る

ミコ:アンナに扮したフレイヤが政界や経済界の要人と次々に社交するの、戦い方が一気に変わった感じがした。腕力じゃなく、人と世論を動かしてドレッドを追い詰めるんだもん。
ユナ:そこより私は、過去の経営者としての失敗まで追い風にしようとするところに驚いたな。普通なら隠したくなる傷を材料に変えるあたり、フレイヤのしたたかさが出てた。
サキ:失敗まで使うの、読んでて「そこまでやるんだ」ってなった! 以前のフレイヤを知ってるほど、守られるだけじゃなく自分から盤面を動かしてる姿が頼もしく見えたよ。
ミコ:盤面を動かすって表現が合うよね。ドレッドがアンナを利用して軍需産業から巨富と権力を得ようとするなら、フレイヤは人々の見方そのものを動かそうとしているのが面白い。
ユナ:同じように人を利用する構図があっても、私は二人の動機まで同じには見えなかったな。だからこそフレイヤのやり方にも危うさがあって、単純な爽快感では読めなかった。
サキ:危うさで言うと、アンナ本人がその動きを知るところから空気が痛かった! 自分と同じ顔の妹が自分として動いてるなんて、想像するだけでも心が落ち着かないよ。
ミコ:その不安が「居場所を奪われる」という感覚につながるのが姉妹らしい複雑さなんだよね。政治や財産だけじゃなく、自分が誰なのかまで揺さぶられているように感じた。
ユナ:しかもフレイヤ側にはドレッドを止める目的があるから、アンナを傷つけたいだけの行動でもない。目的が違うまま同じ顔がぶつかる構図に、私はかなり緊張させられたな。
サキ:同じ顔だから余計につらいんだよね! フレイヤがアンナとして人前に立つほど、姉の不安も膨らんでいく流れを思い返すと、髪を切った場面まで違って見えてくるよ。

再会した姉妹に銃口、アンナの不安が怒りへ変わる瞬間が苦しい

ミコ:姉妹が再会して、アンナの不安が怒りに変わり、フレイヤへ銃口を向けるところは息が詰まった。ここまで積もったものが、言葉より先に武器として現れたように見えたよ。
ユナ:私は怒りそのものより、「居場所を奪われる」というアンナの不安が気になったな。家督を継いでも妹への意識から自由になれないところに、姉側の苦しさも感じた。
サキ:それを考えると銃口の場面がもっとしんどい! フレイヤもアンナの人生を壊したくて扮したわけじゃないのに、アンナから見える景色とは全然違うんだろうなって思った。
ミコ:見えている景色が違うって大きいよね。フレイヤにはドレッドの謀略を止める目的がある一方で、アンナには自分の場所へ妹が入り込んできたように映るのが苦しい。
ユナ:姉妹なのに同じ状況を共有できていないのが皮肉なんだよね。顔は瓜二つなのに、育ってきた立場も抱えている不安も違うから、似ていることがむしろ残酷に感じたな。
サキ:顔が同じって本来なら姉妹らしさを感じる要素なのにね! この巻ではフレイヤがアンナに近づくほど二人の隔たりまで見えて、私はそこがずっと胸に残ってる。
ミコ:その隔たりを見たあとだと、ネネオとフレイヤの違い方も対照的に思える。二人は育った環境が違っても支え合うのに、姉妹は近い存在だからこそ傷が深くなる感じがした。
ユナ:ただ、ネネオたちも完全に理解し合えているわけじゃないところが大事だと思う。分からない部分を抱えたまま、それでも相手のために動く選択が姉妹との違いに見えたな。
サキ:その違いを並べると恋愛と姉妹関係が別々の話じゃなく見えるね! 誰かの隣にいるため何をするのかって、フレイヤの周りで何度も形を変えて出てくる気がしたよ。

ネネオの「守りたい」が刺さる一方、最後まで人物関係から目が離せない

ミコ:政治や姉妹の衝突が大きく動く巻なのに、私は結局ネネオがトラウマに触れてでもフレイヤを守ろうとするところへ戻ってきた。二人の物語の芯を感じたんだよね。
ユナ:そこは大事だけど、私は「守る」が一方通行じゃなくなっているのが印象的だった。フレイヤ自身も前へ出て戦っているから、ネネオだけが背負う関係には見えなかったな。
サキ:だから手の甲へのキスも余計に好き! フレイヤを弱い人として守るんじゃなく、危険へ向かう彼女に自分の気持ちを添えるみたいで、静かなのにすごく熱く感じたよ。
ミコ:その静かな熱さと対照的に、姉妹の再会では銃まで出てくるから振れ幅が大きいよね。同じフレイヤを中心に、人との結びつきがこんなに違う形になるのが興味深かった。
ユナ:違う結びつきという点では、最終部でサスキアがクローズアップされるのも気になった。姉妹やネネオだけに視線を固定させず、人物関係をもう一度広げる感じがしたな。
サキ:サスキアに視線が移ると、ここまで見てきた人たちの関係をまた考えたくなる! 私は恋だけ追ってたつもりが、気づけば誰が誰を理解できてるのかばかり見てたよ。
ミコ:理解できるかどうかが、この巻ではかなり大きく見えたね。近くにいても分からないし、離れていても守ろうとはできる、そのズレが人物を単純に分けさせないんだと思う。
ユナ:だから私は、フレイヤの強さだけを称える読み方にはならなかったな。彼女が強く動くほどアンナの不安も表面化するから、一人の前進が別の人には脅威になるのが重かった。
サキ:その重さがあるのにネネオとの場面ではちゃんと温かくなれるのが好き! この先も恋だけじゃなく、家族や居場所をどう描いていくのか見届けたいって思える9巻だった。

『雪と墨』9巻は、フレイヤの強かさとネネオの覚悟、そしてアンナが抱える不安がぶつかり、人物同士の関係がこれまで以上に切実に感じられる一冊でした。
長い髪を切る場面や手の甲へのキス、姉妹の再会など、感情を揺さぶられる場面も印象的です。
恋愛だけでなく、家族や居場所をめぐるドラマを楽しみたい人にもおすすめ。
物語が佳境へ入る中、それぞれの関係が今後どんな形へ変化していくのか期待したいです。

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