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『いっそあなたがトドメを刺して』6巻 感想・ネタバレ|伸ばした手を下ろす航生に、心が追いつかない

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瀬戸めぐむ『いっそあなたがトドメを刺して』第6巻では、甘い顔したクズ男子との難易度高すぎピュアラブが、航生の過去と一香への揺れる行動を通してさらに深く描かれます。
クリスマスに一香を抱きしめた直後、熱で倒れた航生は幼いころの家族と自分が守りたかったものを思い出し、看病に来た一香へ伸ばしかけた手を下ろします。
さらに年明けの成人のつどいでは高校時代の彼女と再会し、「本当の意味で誰かを好きになったことあるの?」と問われたのち、一香を突き放すことに。
この記事では、そんな第6巻を読み終えた3人が、印象に残った行動や感情の揺れをネタバレありで語り合います。

作品名:いっそあなたがトドメを刺して(6)
作者:瀬戸めぐむ
出版社:講談社
発売日:2026年05月13日

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抱きしめた直後に倒れるなんて、甘さだけでは終わらせてくれない

ミコ:「抱きしめて何か言いかけた直後に航生が熱で倒れる流れ、気持ちが前へ出た瞬間ほど体がついてこない感じで、私はかなり胸が詰まったよ。あの急転は強く残った。」
ユナ:「その詰まり方は分かるけど、私は抱きしめたこと自体より「言いかけた」のが残ったな。言葉になりきらないまま倒れるの、二人の距離の難しさが妙に濃く見えたよ。」
サキ:「私はそこより、クリスマスっていう浮き立つ時期に倒れるのが切なかった。甘い空気だけに寄らず、急に弱さが出てくる感じが、この巻らしくて忘れにくかったな。」
ミコ:「その切なさがあるから、航生をただ振り回す側として見切れなくなった気がする。抱きしめる行動と倒れてしまう脆さが同じ場面にあるのが、私にはかなり大きかったよ。」
ユナ:「でも私は逆に、倒れたことで彼の言いかけた内容を勝手に補いたくないと思った。何を言うかより、そこで言葉が止まった事実のほうが今巻では刺さったな。」
サキ:「それ、すごく分かる。私は「言えなかった」に意味を足すより、抱きしめるところまで動いたことに驚いたよ。あの一歩だけでも読んでる側の感情が揺れた。」
ミコ:「そこから考えると、航生って言葉と行動が同じ速度で進まない人に見えるんだよね。今回、そのズレを身体の不調まで重ねて見せられた感じがして、少し苦しかった。」
ユナ:「私はそのズレをもどかしいより怖いと感じたかも。一香との距離が近づくほど、航生が自分から止まる場面も重く見えて、単純にときめくだけでは読めなかった。」
サキ:「私は怖さもあったけど、だからこそ抱きしめた瞬間を読み返したくなった。後の場面まで読むと、あの行動の勢いが余計に強く残って、見え方も少し変わるんだよね。」

航生の幼い記憶を知ったら、さっきまでと同じ目では見られなかった

ミコ:「倒れて朦朧とする中で幼いころの家族を思い出すところ、恋愛だけの悩みに閉じていた印象が少し崩れて、航生を見る角度が増えた気がしたんだ。今も引っかかってる。」
ユナ:「その見え方の変化はあるね。ただ私は、家族そのものより「守りたかったもの」を思い返している点が気になった。今の彼の行動にも重さが乗った感じ。読後も残ってる。」
サキ:「私はそこを読んでから、さっきの抱きしめる場面までちょっと違って見えたよ。勢いだけじゃなく、守ることへの意識が航生の中で大きいのかなって。そこが忘れにくい。」
ミコ:「ただ、その「守る」をすぐ美談にはしたくないな。守ろうとする気持ちがあっても、一香への向き合い方とは別の話だし、そこが簡単じゃないのが好き。私はまだ考えちゃう。」
ユナ:「その線引き大事だね。過去を知ったから全部許せる、にはならないけど、航生がなぜ自分の気持ちだけで動けないように見えるかは少し腑に落ちた。今も引っかかってる。」
サキ:「私は許す許さないより、熱で弱っている時に家族の記憶へ戻るのが切なかった。普段より奥にあるものが出てきたみたいで、そこはかなり心に残ったよ。読後も残ってる。」
ミコ:「そういう弱った時の記憶だからこそ、説明されるより近く感じたのかも。航生の過去を情報として読むより、現在の揺れと一緒に受け取れた気がする。そこが忘れにくい。」
ユナ:「私はむしろ、過去が見えたあとも今の選択は今の選択として見たいと思ったな。背景が分かるほど、一香への態度をどう受け取るかが難しくなった。私はまだ考えちゃう。」
サキ:「難しくなったの、分かる。私は単純に味方したい気持ちと、もう少し一香を安心させてって気持ちが両方出てきて、読後もきれいに整理できなかった。今も引っかかってる。」

伸ばしかけた手を下ろす、その小さな動きがいちばん苦しい

ミコ:「看病に来てくれた一香へ手を伸ばしかけて、そのまま下ろすところ、派手な出来事じゃないのに私はいちばん息を止めたかも。あの動作だけで苦しくなった。」
ユナ:「そこは私も残ったけど、手を伸ばしたことより下ろしたことのほうを重く見たな。近づきたい気持ちより、自分で止める癖のほうが強く見えたんだよね。読後も残ってる。」
サキ:「私は逆で、途中まででも手が動いたことにちょっと救われた。言葉にしない航生が身体では一香へ向かった、その一瞬だけは素直に受け取りたかったな。そこが忘れにくい。」
ミコ:「その受け取り方も分かるよ。でも伸ばして下ろすまでが一続きだから、私はやっぱり安心できなかった。近さと遠さが同時にある感じで落ち着かない。私はまだ考えちゃう。」
ユナ:「落ち着かないって表現、すごく合う。看病に来た一香がそばにいる状況だからこそ、航生の一歩と引き返しが余計にはっきり見えた気がした。今も引っかかってる。」
サキ:「私はそこ、一香が看病に来てくれた事実にもぐっときたよ。航生の動きばかり追いがちだけど、一香がちゃんとそばへ来ていることも忘れたくない。読後も残ってる。」
ミコ:「それを言われると、二人の温度差だけじゃなくて、それぞれが差し出しているものの形が違う感じもするね。だから手を下ろす動作が余計に刺さる。そこが忘れにくい。」
ユナ:「私はその違いが、この作品の恋愛のしんどさなんだと思った。好きかどうかだけじゃなく、近づく方法が噛み合うかまで読まされるのが苦しくて面白い。私はまだ考えちゃう。」
サキ:「苦しいのに読み返したくなるの、まさにそこ。私は手を伸ばしかける場面をもう一度見て、航生が止まる瞬間まで含めてじっくり味わいたくなった。今も引っかかってる。」

「本当の意味で好き?」その問いのあとが、あまりにも胸に残る

ミコ:「年が明けて成人のつどいで高校時代の彼女に会う展開、空気が急に現実的になった感じがした。過去を知る相手の問いって、やっぱり重さが違うね。今も引っかかってる。」
ユナ:「その重さはあるけど、私は「本当の意味で誰かを好きになったことあるの?」と問われるのがかなり痛かった。航生の曖昧さを真正面から触られた感じ。読後も残ってる。」
サキ:「私はその問い自体より、そのあと一香を突き放してしまう流れがしんどかったな。読んでいて、そこでそっちへ動くのかって感情が一気に揺れた。そこが忘れにくい。」
ミコ:「そこ、私も胸がざわついた。一香に近づく動きも見てきたぶん、突き放す行動が単なる冷たさだけでは片づけにくくて、余計にもどかしかったよ。私はまだ考えちゃう。」
ユナ:「私はむしろ、背景が見えても一香が傷つきうる行動は別として受け止めたいな。航生側を理解できることと、一香側で苦しくなることは両立するし。今も引っかかってる。」
サキ:「その両立が一番つらいんだよね。どちらか一方だけ責めれば楽なのに、家族の記憶まで読んだあとだと、私は気持ちが簡単に決められなかった。読後も残ってる。」
ミコ:「だから今回、恋愛の甘さより「好きって何だろう」って問いを自分まで返された感じがした。言葉にすることと相手を大事にすること、同じじゃないよね。」
ユナ:「その話なら、私は航生の行動を見ながら一香の幸せを基準に考えたくなったな。誰とどうなるかより、彼女が無理せず笑える関係であってほしい。私はまだ考えちゃう。」
サキ:「私もそこに戻る。今巻は胸がきゅっとする場面が多かったけど、人物の弱さを簡単に悪者扱いしないところは好きで、この先の描き方にも期待したい。今も引っかかってる。」

『いっそあなたがトドメを刺して』6巻は、航生の過去が見えることで彼への理解が少し深まりつつ、一香への行動には簡単に納得しきれない苦さも残る一冊でした。
抱きしめた直後に倒れる場面、看病中に伸ばしかけた手を下ろす場面、高校時代の彼女から投げかけられる問いなど、派手さより心の揺れが記憶に残ります。
人物を単純な善悪に寄せず、好きという感情の難しさを丁寧に追いたい人におすすめ。
この先も、それぞれの関係や気持ちがどう描かれていくのか楽しみです。

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