宮口幸治先生の原作を、鈴木マサカズ先生が漫画化する『ケーキの切れない非行少年たち』第13巻が、2026年10月8日に発売されます。
少年院でさまざまな問題を抱える少年少女たちと向き合う精神科医・六麦を通して、非行の背景にある認知機能や知的能力の問題、そして更生や支援の難しさを描いてきた本シリーズ。
第13巻では、バスで無差別殺傷事件を起こそうとした杉上剛志のエピソードがついに結末へ。さらに物語は、性犯罪を犯した子どもたちと向き合う精神科医・鳥海をめぐる新たなケースへと進んでいきます。

杉上剛志のエピソードがついに決着
第13巻の冒頭で描かれるのは、これまで続いてきた杉上剛志のエピソードの結末です。
バスで無差別に人を殺そうとした杉上。起こそうとした事件だけを見れば、理解しがたい少年として切り捨ててしまいたくなるかもしれません。
しかし『ケーキの切れない非行少年たち』が描き続けているのは、犯罪や非行という“結果”だけではありません。
その少年が物事をどのように認識しているのか。なぜ周囲とうまく関係を築けなかったのか。そして、問題を抱えた少年を更生へ導くためには何が必要なのか。
単純に「悪いことをしたのだから反省すればいい」では終わらせないところに、本シリーズならではの重さがあります。
杉上のケースがどのような結末を迎えるのか、これまでの巻から続けて読んできた方なら見届けたいところです。
新たなケースの中心人物は精神科医・鳥海
杉上のエピソードが一区切りすると、第13巻では新たなケースが始まります。
そこで重要な人物となるのが、性犯罪を犯した子どもたちへの対応に携わっている精神科医・鳥海です。
これまでは専門家として、問題を抱えた子どもたちと向き合ってきた鳥海。
ところが今回、彼女自身の家庭内で、仕事で接してきたものと重なるような問題が起こってしまいます。
支援する側だった専門家が、今度は自分自身の家族に起きた問題と向き合わなければならない。
これまでとは異なる立場から問題を描く新エピソードだけに、第13巻以降の展開にも注目です。
知識があっても、自分の家族なら同じように向き合えるのか
医師として多くのケースを見てきたからこそ、鳥海には専門家としての知識や経験があります。
しかし、それが自分の家庭で起きたこととなれば、話は変わってきます。
第三者として冷静に考えることと、家族として当事者になることは同じではありません。
「専門家なら正しく対応できるはず」と簡単に考えることのできない状況で、鳥海はどのような現実に直面し、何を選択していくのか。
非行少年本人だけではなく、その周囲にいる家族や支援者まで描いてきた作品だからこそ、今回のケースがどこまで掘り下げられていくのか気になります。
「なぜ?」の先にあるものを描き続けるシリーズ
本作の原作となっているのは、児童精神科医・宮口幸治先生による『ケーキの切れない非行少年たち』。
少年院で出会った子どもたちの中には、認知機能や知的能力に課題を抱え、そもそも自分が何をしたのか、相手がどう感じたのかを適切に理解すること自体が難しいケースがあることを取り上げ、大きな反響を呼んだ作品です。
コミカライズ版でも、非行に至った少年少女を単純に善悪だけで分類するのではなく、問題行動の背景には何があるのか、そして社会や周囲の大人はどう向き合えばよいのかという視点から物語が描かれています。
もちろん、背景に事情があれば犯罪が許されるという話ではありません。
罪と向き合いながら、その先の更生や再発防止を考えるために何が必要なのか。第13巻でも、簡単には答えの出ない問題が読者に投げかけられます。
ケーキの切れない非行少年たち 13
- 原作:宮口幸治
- 漫画:鈴木マサカズ
- 発売日:2026年10月8日
- レーベル:バンチコミックス
- 出版社:新潮社
- 価格:792円(税込)
- 判型:B6判
- ISBN:9784107729927
『ケーキの切れない非行少年たち』第13巻は、2026年10月8日発売。
杉上剛志のエピソードがどんな結末へたどり着くのか。そして、これまで子どもたちを支援する側にいた鳥海が、自分の家庭で起きた問題にどう向き合うのか。
一つのケースの決着と、新たな問題の始まり。その両方が収録される第13巻は、シリーズを追いかけている方なら続きが気になる一冊です。
非行や犯罪の背景にあるもの、そして更生や支援とは何なのかを漫画を通して考えさせられる『ケーキの切れない非行少年たち』。続きを待っていた方は、第13巻を発売前にチェックしておきましょう。






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