『THE NEW GATE』17巻では、シンが侍たちの暮らす和風国家・ヒノモトに滞在し、かつて自ら鍛えた神刀『玄月』の継承者を選ぶ御前試合を見守ることに。
腕自慢の侍たちが競う華やかな場の裏で、国の平和を揺らしかねない陰謀まで動き始め、合流した仲間とシンも静かに動き出します。
自分の武器が時を越えて受け継がれている不思議さと、試合だけでは終わらない緊張感が今回の見どころ。
この記事では、玄月をめぐる感慨、御前試合の空気、裏で進む不穏さ、仲間と動くシンの安心感を、ネタバレ込みの読後トークで振り返ります。
作品名:THE NEW GATE(17)
作者:三輪ヨシユキ(絵)、風波しのぎ(原著)
出版社:アルファポリス
発売日:2025年10月22日
昔の一本がここまで大きくなるなんて、シンの気持ちを考えちゃう
ミコ:ヒノモトに着いてから、シンが景色に浮かれるより玄月の話へ引き寄せられていく感じ、ちょっと昔の自分を急に見せられたみたいで妙に落ち着かなかったよ。
ユナ:その落ち着かなさ分かる。私は玄月そのものより、昔に打った刀が今では継承者を選ぶほど重い存在になってる時間の長さに、シンとのズレを感じてぞくっとした。
サキ:時間のズレは切ないよね。なのに侍たちが玄月を目指して熱くなってる空気を見たら、しんみりだけじゃなくて一気に御前試合を見たくなって、気持ちが忙しかった。
ミコ:その熱さに引っ張られるの、私もあった。玄月がただの昔の装備じゃなく、今を生きる侍たちの目標になってるのを見ると、シンの過去が勝手に育ってる感じがしたな。
ユナ:勝手に育ってるって表現、近いかも。むしろ本人が大げさに誇らないからこそ、周りが玄月へ向ける本気との温度差が見えて、そこがちょっとおかしくて好きだった。
サキ:その温度差、笑えるのに少し寂しくも見えたよ。自分が残したものを知らない時間の中で誰かが大事にしてるって、嬉しいだけでは済まないんじゃないかなって思った。
ミコ:嬉しいだけじゃない感じがあるから、御前試合も単なる強さ比べに見えなかったんだよね。誰が玄月を継ぐのかより、シンがその結果をどう受け止めるかまで気になった。
ユナ:結果を見るシンのほうが気になるの、確かにある。私は候補になる侍たちの必死さも見逃せなくて、玄月に積み重なった価値を本人以外の側からもっと感じたくなったよ。
サキ:侍側から見ると熱量が全然違いそうだよね。読み終わって玄月って名前を思い返しただけで、刀より先にみんなの気持ちが浮かぶのが、この巻らしかった気がする。
御前試合に夢中になりたいのに、どうしても背後が気になってしまう
ミコ:御前試合って聞いた瞬間は派手な勝負を期待したけど、読んでると誰が強いかだけじゃなく、玄月を託される重さまで混ざってて、勝敗を見る目が少し変わったよ。
ユナ:勝敗だけじゃないのは同感。ただ私は重さより、手練れの侍たちが同じ一本を目指して競う状況そのものにわくわくしたな。静かな緊張が続く感じが心地よかった。
サキ:その緊張、私は逆に落ち着かなかった! 試合へ気持ちを向けたいのに、裏で何か動いてるって分かるせいで、楽しそうな場面ほど急に不安が差し込んできたんだよね。
ミコ:不安が差し込むから、会場の熱気まで別の意味に見えてくるんだよね。誰かが競ってる間にも別の思惑が進んでそうで、素直に応援だけしていられない感じだった。
ユナ:その見え方はあるけど、私は試合の空気がちゃんと強いから救われたかな。不穏さ一色にならず、侍たちの本気に目を奪われる瞬間があるのが読みやすかった。
サキ:目を奪われる瞬間があるほど、あとで不穏さを思い出した時に怖いんだよ。楽しいところへ急に影が伸びてくる感じで、ページを戻して空気を確かめたくなった。
ミコ:影が伸びる感じ、まさにそれ。御前試合が表の主役なのに、読んでる側は裏も気にしてしまうから、一つの場面を二重に見てるような面白さがあったと思う。
ユナ:二重に見るっていうなら、玄月を欲する侍の気持ちと、それを作ったシンの立場も重なってたよね。同じ試合でも見る側の事情で意味が変わるのが印象に残った。
サキ:事情が違うからこそ、誰か一人だけに肩入れしきれないのも好きだったな。試合の結果を早く知りたいのに、その先で何が起こるか怖くて、読み進める手が変に慎重になった。
華やかな勝負の裏側、気づいた瞬間からヒノモトの景色まで違って見えた
ミコ:試合の裏で陰謀が動いてると分かってから、ヒノモトの和風な雰囲気まで少し張りつめて見えたんだよね。穏やかな滞在では終わらなそうって感覚が残った。
ユナ:張りつめて見えるのは分かる。でも私は、危ない気配が出た途端にシンがどう動くか想像できる安心感もあったよ。強さより先に、放っておかなそうって思えた。
サキ:その安心感があるのに、私はむしろ嫌な予感のほうが勝ったな。国の平和を乱す話って範囲が大きいし、御前試合の熱気まで利用されたら嫌だなって身構えちゃった。
ミコ:身構えるよね。しかも玄月の継承が注目を集める時期だから、表が華やかなほど裏の動きが気になる。シンが何を先に見抜くのか、そこへ意識が向いたよ。
ユナ:見抜く瞬間も楽しみだけど、私は合流した仲間がいるのが大きかった。シン一人で全部片づけるより、周りと動く時の空気のほうが柔らかく見えて好きなんだよね。
サキ:仲間がいると空気が変わるの、すごく分かる。危ない話なのに会話が入るだけで少し肩の力が抜けて、その直後また不穏になる落差にかなり振り回されたよ。
ミコ:その落差のおかげで、陰謀の話が重くなりすぎないんだと思う。ヒノモトでの出来事を仲間と共有しながら動くシンを見ると、旅が続いてる実感も戻ってきた。
ユナ:旅の続きって感覚はあるね。それでも今回は玄月があるから、シンの過去と今の土地がいつも以上につながって見えた。陰謀までそこへ絡むのかが私は気になったな。
サキ:過去と今がつながるほど、何か壊されたら嫌だって気持ちも強くなるよね。だから最後まで、シンたちにはヒノモトの空気ごと守ってほしいって思いながら読んでた。
最強のシンより目が離せなかったのは、仲間といる時のあの距離感
ミコ:仲間と合流してからのシン、最強だから安心というより、誰かと一緒に状況を見られるようになったことが嬉しかったな。独りで抱える感じが薄まるだけで印象が違った。
ユナ:その嬉しさはあるね。私は逆に、仲間がいるからシンの規格外さが際立つ瞬間も面白かった。普通なら慌てそうな状況でも、妙に落ち着いて見えるところが印象に残ったよ。
サキ:落ち着いてるのを見ると安心するけど、私は周りの反応のほうを見ちゃう。シンが平然としてるぶん、仲間側の温度が見えると急に場面が近く感じられて好きだった。
ミコ:周りを見るとシンの見え方が変わるよね。玄月だって本人には過去の一つでも、今の人たちには特別なものだから、そのズレが今回ずっと効いてた気がする。
ユナ:ズレが効いてるから、強さを見せるだけの話にならないんだろうね。私はヒノモトで何を残すかより、すでに残していた玄月と向き合う構図が新鮮に見えた。
サキ:新鮮なのに懐かしさもあるのが不思議だった。昔のシンが打った刀を今のシンが見るって、それだけで時間の厚みが出て、なんだか妙に胸がきゅっとしたよ。
ミコ:その時間の厚みがある状態で陰謀に踏み込むから、今回は守る理由も自然に強く見えたな。単に事件へ首を突っ込むより、玄月のある土地への縁を感じたんだよね。
ユナ:縁を感じるのは分かるけど、私はまだシンがどこまでヒノモトに肩入れするか見たいかな。今巻の動きだけでも放置はしなさそうだけど、その距離感が気になる。
サキ:距離感が残ってるから次も読みたくなるんだよね。御前試合の熱も陰謀の怖さも途中で消えないまま残ってて、読み終えたのに頭だけまだヒノモトにいる感じ。
『THE NEW GATE』17巻は、玄月の継承をめぐる御前試合の高揚感と、その裏で動く陰謀の不穏さが重なり、読み終わったあとに場面を振り返りたくなる一冊でした。
シンが自分の残したものと向き合う距離感や、仲間と合流してからの頼もしさもおすすめポイント。
試合の行方だけでなく、ヒノモトの平和を乱す企みへシンたちがどう踏み込むのか、次巻ではその動きがさらに大きくなることを期待したいです。
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