上原求・新井和也漫画、萩原天晴原作、福本伸行協力『1日外出録ハンチョウ』第22巻では、大槻たちが相変わらず地下生活の隙間から小さな楽しみを掘り当てていきます。深夜に目覚めて仲間とこっそり啜るラーメン、大量のドーナツを前にした欲望と胃袋の限界、コクワガタとのひととき、頭を悩ませる難解なクイズ、菜箸への怒り、さらには「カワイイ」の研究まで題材は実に多彩。大事件などなくても妙に真剣になってしまうおじさんたちの日常が今回も健在です。今回は、背徳の夜食からウミガメのスープまで、22巻で特に印象に残った妙なこだわりと笑いを3人がネタバレありで語ります。
作品名:1日外出録ハンチョウ(22)
作者:上原求(著)、新井和也(著)、萩原天晴(原著)、福本伸行(著)
出版社:講談社
発売日:2026年03月06日
深夜にこっそり啜るラーメン、どうして悪い時間ほど美味しそうなのか
ミコ:夜中にお腹が空いて目が覚めて、仲間と二人でこっそりラーメンを啜るって、それだけなのに私は異様に美味しそうに感じたよ。背徳感まで調味料だよね。
ユナ:分かる。昼に同じラーメンを食べても絶対あの味にはならなそうなんだよね。食べる時間と状況まで含めてご馳走に変えるのが、大槻らしい気がしたな。
サキ:私は夜中に読んだら危険なやつだと思った! 「今食べたら駄目」って時間ほどラーメンって魅力が増すし、二人でこっそりなのもずるいよね。
ミコ:しかも豪華な外食じゃなくても満足できるのがいいんだよね。地下という制限のある生活だからこそ、小さな楽しみを最大化する技術が磨かれてる感じ。
ユナ:それも分かるけど、私は大槻が楽しむための理由を自分で作れるところが好きだな。普通なら空腹で終わる夜を、ちゃんと一つのイベントにしちゃうんだよね。
サキ:そういうの真似したくなるけど、私は翌朝に絶対後悔するよ! でも後悔まで込みで「あの夜のラーメン美味しかったな」って思い出になる気もするな。
ミコ:ドーナツをたくさん食べたい欲望に従って、自分の胃袋の限界を知る話も同じだよね。くだらない挑戦なのに、本人にとってはかなり真剣なのが面白い。
ユナ:私はあれ、「好きなだけ食べられたら幸せ」という夢と身体の現実がぶつかるのが切なかったよ。大人になると財布より胃袋が先に止めに来るんだよね。
サキ:それ本当に嫌な現実! 子どもの頃ならドーナツ山盛りなんて夢なのに、実現できる年齢になると食べられないって、人生うまくできすぎてるよね。
菜箸に怒るだけで一話になる、このどうでもよさこそハンチョウだった
ミコ:菜箸に怒るみたいな、人生全体ではどうでもいいことを本気で扱うのが私は好きなんだよね。「そこ気にする?」ってところを大槻たちは絶対に流さない。
ユナ:私はむしろ、どうでもいいからこそ真剣になれる気がするな。仕事や借金みたいな重い問題じゃなく、菜箸程度の不満なら遠慮なく怒れるんだよね。
サキ:菜箸への怒りをちゃんと漫画にする時点で笑っちゃうよ! 普通なら三秒で忘れることなのに、「いや、これは許せん」ってなるおじさん感がたまらない。
ミコ:コクワガタと戯れる話もそうだけど、22巻って日常の小さい出来事を拾う方向が強いよね。私は地下生活なのに季節感まで出てくるところが好きだな。
ユナ:そういえば「カワイイ」を研究するのも面白かった。大槻たちの年齢や見た目から一番遠そうなテーマなのに、考え始めると妙に真面目になるんだよね。
サキ:私はそこ好き! おじさんが「カワイイとは何か」を研究する時点で面白いのに、本人たちがふざけてるつもりじゃないほど、余計に笑えてくるんだよ。
ミコ:長く続いているから題材がキャンプやグルメだけでは収まらなくなってるけど、その雑多さ自体が今の『ハンチョウ』らしさになってきた気もするな。
ユナ:私はテーマが広がっても、大槻たちが妙なことへ本気になる構造が残っていれば楽しめるかな。題材より「この人たちならどう遊ぶか」を見てる感じ。
サキ:分かる! コクワガタでも菜箸でも成立するなら、もう何でもありだよね。地下のおじさんたちの日常をここまで眺め続けるとは思わなかったけど!
ウミガメのスープに本気すぎる! 正解が分かるまで頭から離れない
ミコ:難解なクイズにみんなで首をひねる話、私はこういう答えが分からないまま考え続ける時間が好きなんだよね。食べ物とは違う方向で沼に入っていく感じ。
ユナ:特に「一人だけ振り返ってしゃがんだら、みんなから賞賛されたのはなぜ?」って問題、状況が見えなさすぎて私も一緒に考え込んじゃったよ。
サキ:私こういうの苦手なのに、出されたら絶対答えを見るまでやめられない! 「分からん!」って言いながら何度も条件を読み返すタイプだから危険だよ。
ミコ:ウミガメのスープって知識量より発想をずらせるかが大事だから、大槻たちが考える姿そのものが面白くなるんだよね。性格まで回答の出し方に出そうだし。
ユナ:私は正解そのものより、みんなが「こうじゃない?」「いや違うだろ」って可能性を潰していく時間が好きだな。友達同士でやる遊びとして強いよね。
サキ:そうなの! 一人で答えを検索したら一瞬だけど、みんなで変な回答を出して笑うほうが絶対楽しい。正解まで遠回りすること自体が遊びなんだよね。
ミコ:考えてみれば『ハンチョウ』って、そういう遠回りを楽しむ話が多いのかも。最短で正解へ行くより、途中で余計なことをしてる時間のほうが大事なんだよ。
ユナ:確かに、外出だって効率だけ考えたらあんなに寄り道しないもんね。食事も遊びも、過程へ妙なこだわりを持ち込むから一日が濃くなるんだと思うな。
サキ:だからクイズ一つでも一日分の思い出になりそうなんだよね! 私もスマホを置いて、友達と答えが出ない問題を延々考える夜をやってみたいな。
22巻まで来ても続く地下の日常、もうカイジが来なくてもいい気がしてきた
ミコ:22巻まで読むと、大槻たちの地下生活がもう独立した日常として成立してるよね。私は本編へどうつながるかより、この毎日をずっと見ていたくなってきたよ。
ユナ:私も原作との時系列を厳密に合わせて読む感じではなくなったな。今の時代のものまで自然に出てくるし、この作品独自の時間が流れている気がする。
サキ:私はカイジが来たらどうなるか考えると急に切なくなるから、今は考えたくない! 大槻も沼川も石和も宮本も、このまま遊んでてほしくなるよ。
ミコ:ただ長期連載だから、昔ほど一話ごとの題材に驚かなくなった部分は私は少しあるかな。でも今回みたいにクイズまで持ってくる自由さは面白いと思う。
ユナ:私はその感覚も分かる。グルメや外出だけでは二十二巻も続けられないし、題材が広がるのは自然だよね。どこまで日常を拾えるかを見る作品にもなってる。
サキ:私は薄味の回があっても、次に突然めちゃくちゃ好きな回が来そうだから離れられないんだよね。この人たち、本当に何でも一日分の話にしちゃうし!
ミコ:何も起きない日を「何もなかった」で終わらせず、ラーメンやドーナツや虫や菜箸で彩るところは、やっぱり大槻の休日哲学みたいで私は好きだな。
ユナ:それって地下だからこそ余計に響くのかもしれないね。自由が少ない環境でも、楽しみまで全部奪われたわけじゃないという妙なたくましさがあるんだよ。
サキ:だから私、最終回より次に何で遊ぶのかをまだ見てたい! とんでもなくくだらないことで三人が真剣に揉めるだけでも、きっとまた読んじゃうと思う。
『1日外出録ハンチョウ』22巻は、深夜ラーメンやドーナツへの欲望から、コクワガタ、菜箸、「カワイイ」の研究、難解なクイズまで、日常の小さな出来事を徹底的に楽しむ一冊でした。特にウミガメのスープを巡る時間は、答えよりも仲間と悩む過程そのものが遊びになる『ハンチョウ』らしさが印象的。派手な事件より、おじさんたちの妙なこだわりを眺めたい人におすすめです。22巻まで積み重なった独自の日常を、まだまだ覗いていたくなります。










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