『アンゴルモア 元寇合戦記 博多編』12巻では、弘安の役がついに開戦し、七年かけて備えた迅三郎たちが蒙古軍の奇襲を退けます。
ところが輝日との子・カゴ丸が攫われ、迅三郎たちはその行方を追って、かつて文永の役で甚大な被害を受けた壱岐へ。
そこで待っていたのは七年前に出会った者たちとの再会と、新たに押し寄せる高麗軍でした。
この記事では、成長した資時たちとの再会、迅三郎と輝日の変わらない部分、壱岐防衛戦の緊迫感、囚われたカゴ丸を襲う不穏な展開を、ネタバレ込みの読後トークで振り返ります。
作品名:アンゴルモア 元寇合戦記 博多編(12) 弘安の戦い その二
作者:たかぎ七彦
出版社:KADOKAWA
発売日:2026年1月21日
七年ぶりなのに一瞬で思い出した、あの二人がもうこんなに大きい
ミコ:壱岐へ渡った緊張感もすごかったけど、七年前に出会った人たちが成長した姿で出てくると、迅三郎たちが過ごした年月まで急に重く感じられたよ。
ユナ:年月の重さは私も感じた。特に少弐資時がもう守られる側の少年じゃなくて、壱岐を背負って立つ側になってるのを見ると、七年って長かったんだなと思った。
サキ:資時の成長、胸にくるよね。しかも昔の面影があるから別人には見えなくて、立派になった姿を見るほど「あの子が!」って親戚みたいな気分になっちゃった。
ミコ:親戚みたいになるの分かる。そこへ七年前に迅三郎が助けた少女までつながってきて、過去の出会いが消えずに今の人間関係へ続いてるのが嬉しかったな。
ユナ:そのつながりは好きだけど、私は二人の関係が思った以上に進んでたことに驚いたよ。戦の緊張ばかり想像してたから、あの距離感が急に見えて戸惑った。
サキ:私もそこは「今ここで!?」ってなったよ。でも明日が当然に来るとは限らない状況だと思うと、好きな相手に触れたくなる気持ちまで否定できなくなったんだよね。
ミコ:そう考えると、穏やかな恋愛場面とは全然違って見えるよね。若い二人の気持ちを見せた直後ほど、これから始まる壱岐の戦いで失ってほしくないと思った。
ユナ:失ってほしくない気持ちが先に立つから、資時が戦う覚悟を見せるほど私は怖かったな。成長を喜びたいのに、その成長が戦場で試されるのがつらかった。
サキ:喜びと怖さが一緒なの、ほんとそれ。七年前を知ってるだけに再会が嬉しくて、なのに「無事でいて」って気持ちまで増えて、読んでるこっちが忙しかったよ。
カゴ丸を追いたいのに戦が待ってくれない、その焦りがずっと離れない
ミコ:迅三郎はカゴ丸だけ追いかけたいはずなのに、壱岐へ高麗の兵が押し寄せてくるから、親としての焦りと戦う者としての判断が同時に迫ってくるのが苦しかった。
ユナ:その板挟みはきついよね。私は迅三郎が取り乱して一直線になるだけじゃなく、壱岐を守ることと息子を探すことをつなげようとするところが印象に残ったな。
サキ:考えて動けてるのは分かるんだけど、私はカゴ丸の姿が浮かぶたびに「早く行って!」って焦っちゃった。親の事情なんて戦場は待ってくれないんだよね。
ミコ:その焦りがあるからこそ、輝日の夢のお告げを利用する発想にも食いついちゃったよ。普通なら何を始めるのって思うのに、今は使えるもの全部使ってほしくなる。
ユナ:使えるものを使う姿勢は迅三郎らしかった。ただ力任せに突破するんじゃなく、置かれた状況から手掛かりを作ろうとするから、読んでいて頭の切り替えが気持ちいい。
サキ:気持ちよさはあるけど、その間にもカゴ丸が囚われてると思うと私は全然安心できなかったよ。手掛かりが近づくほど、逆に間に合うのかって怖くなった。
ミコ:近づくほど怖くなるの分かる。しかも今回は親になった迅三郎を見ることになるから、昔みたいに本人さえ生き残ればいいとは思えなくて、戦場の見え方も変わったな。
ユナ:親になっても無茶をしそうなところは残ってるけどね。そこが変わらないから安心する部分と、今は守る相手がいるんだからって止めたくなる部分が両方あった。
サキ:止めたくなるのに、カゴ丸のためなら行けって思っちゃうんだよ。輝日も含めて家族になった三人を知ってるから、今回は迅三郎の危なさがいつもより怖く見えた。
また壱岐が戦場になるなんて、知っているからこそ見ていられない
ミコ:壱岐に高麗軍が押し寄せて防衛戦が始まるところ、七年前の惨状を知ってるだけに「またここなのか」って気持ちが先に来て、戦いの迫力より怖さを感じたよ。
ユナ:また襲われる重さはあるね。でも私は、七年前と違って資時たちが備えて立ち向かう姿に目がいったな。同じ場所でも同じ戦いにはしないって意地を感じた。
サキ:その意地が頼もしいほど私はつらかったよ。壱岐を守ろうとする人たちの顔が見えるから、兵の数とか勝ち負けより「この人たちを失いたくない」が先に来た。
ミコ:顔が見える戦いになると怖さが違うよね。迅三郎もカゴ丸を探しながら防衛に関わるから、戦況が動くたびに息子への道まで遠ざかるようで落ち着かなかった。
ユナ:そこは逆に、戦いながら探すしかない迅三郎のしぶとさが際立って見えたよ。目の前の敵をどうにかしつつ目的を忘れないから、次の一手をずっと追いたくなった。
サキ:しぶとい迅三郎がいるから読めるけど、囚われたカゴ丸たちのほうは本当に怖かった。大人の戦略が届かない場所に子どもがいるってだけで胸がざわざわしたよ。
ミコ:カゴ丸側を見ると、戦場で勝つことと家族を救えることは別なんだって突きつけられるよね。迅三郎がどれだけ強くても届かない時間があるのがきつかった。
ユナ:強さだけでは埋められない距離があるから、今回はいつもの迅三郎の頼もしさだけじゃ安心できなかったな。手掛かりが見えてきても、まだ喜べない感じが残った。
サキ:喜べないまま終わる感じ、かなり引きずったよ。壱岐の戦いもカゴ丸のことも心配で、読み終わってから「あの場面、大丈夫かな」って何度も思い返しちゃった。
変わったところも変わらないところも、迅三郎と輝日を見ていると刺さる
ミコ:七年たって二人が親になってるのに、迅三郎と輝日らしい勢いや危なっかしさが残ってるの、なんだか嬉しかったな。年月だけで全部は変わらないんだよね。
ユナ:変わらない部分はあるけど、私はカゴ丸を追う二人を見ると以前とは違って見えたよ。自分たちだけじゃなく子どもの命まで背負ってるから、判断の重みが増してた。
サキ:重みが増したから余計に、二人が一緒に動いてるだけでちょっと安心した。カゴ丸がいない状況なのに、父と母として同じ方向を向いてるのが胸に残ったよ。
ミコ:同じ方向を向いてても、迅三郎は迅三郎のやり方で突破口を探すのが面白いんだよね。輝日の夢のお告げまで作戦につなげようとする発想には思わず反応した。
ユナ:あの発想は予想外だったね。私は輝日が昔のまま迅三郎についていくだけじゃなく、今の立場で関わってるように見えたのも、七年分の変化なのかなと思った。
サキ:変化を見ると空白の七年まで知りたくなるよね。あの地獄みたいな戦いから家族になるまで何があったのか想像すると、カゴ丸が余計に大切な存在に感じられた。
ミコ:大切さを感じた直後に囚われてる現実へ戻されるからきついんだよな。ようやく手掛かりが見えそうになるほど、迅三郎たちが間に合うことを願っちゃったよ。
ユナ:間に合ってほしいけど、壱岐防衛戦もまだ軽く見られないよね。資時たちの戦いとカゴ丸捜索がどう重なっていくのか、次はそこを一番見届けたいかな。
サキ:私は何よりカゴ丸に無事でいてほしいよ。戦の大きな流れを描いてるのに、最後は一人の子どものことが頭から離れなくなるのが、この巻で一番苦しかった。
『アンゴルモア 元寇合戦記 博多編』12巻は、弘安の役の激しさと、攫われたカゴ丸を追う親としての焦りが重なり、息を抜きにくい一冊でした。
七年を経て成長した資時たちとの再会や、変わったようで変わらない迅三郎と輝日の姿も大きなおすすめポイントです。
壱岐防衛戦の行方はもちろん、つかみかけた手掛かりがカゴ丸救出へつながるのか、次巻では家族が再び顔を合わせられる展開を期待したいです。
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