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波よ聞いてくれ(12)感想・ネタバレ|笑っていたら急に刺される、ミナレのラジオがまた動き出す

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『波よ聞いてくれ』12巻では、「バレンタイン・ラジオ」を終えたミナレが、ラジオくしろのシセル光明と出会い、改めてラジオという仕事に向き合っていきます。
一方のボイジャーでは2号店の話が進む中、マキエが中原への思いを抱えきれず店を去り、二人の関係も思わぬ方向へ。
さらに久連木をめぐる出来事まで重なり、笑える会話から重たい余韻へするっと連れていかれます。
この記事では、シセルとのラジオ談義、マキエと中原のこじれ方、ミナレの過去、そして終盤に残された不穏な出来事をネタバレ込みで語ります。

作品名:波よ聞いてくれ(12)
作者:沙村広明
出版社:講談社
発売日:2025年6月23日

シセルとミナレ、この二人を喋らせたら止まらない

ミコ:シセルの番組にミナレが呼ばれる流れ、絶対に会話が濃くなると思ったけど、想像以上だった。いつもの勢いだけじゃないミナレが見えて、ちょっと嬉しくなったよ。
ユナ:その変化は感じたけど、私はシセル自身の歩んできた道のほうに引っぱられたな。成功だけじゃなく挫折まで背負って喋ってるから、言葉の重みが全然違って聞こえた。
サキ:重みがあるから、普段ならミナレの一言で笑うところでも今回は妙にしんみりした! 二人が喋ってるだけなのに、ラジオって声の向こうに人生があるんだなって感じたよ。
ミコ:人生が声に乗るって感覚、まさにそこだった。ミナレも誰かを言い負かすだけじゃなく、相手の話を受け取って自分の喋りに返していて、成長したように見えたな。
ユナ:成長というなら、イギリスのラジオをめぐる話も面白かった。古いものを切り捨てれば済むわけじゃないって空気があって、ミナレの毒舌まで少し違って聞こえたよ。
サキ:古さの話になると急に笑えなくなる瞬間があるんだよね。懐かしい放送への思いと時代の変化がぶつかってて、どっちの気持ちも分かるから私は少し苦しくなった。
ミコ:その苦しさを抱えたまま読むと、ミナレの言葉って強いだけじゃないんだなと思う。正しいことを言っても誰かには刺さる、その危うさまで今回は残った気がする。
ユナ:私は逆に、だからラジオが面白いって感じたな。顔が見えない相手へ言葉を投げる以上、正解だけじゃ足りないってことを、シセルとの時間で見せられた感じがした。
サキ:正解だけじゃ足りないって、読み終わると効いてくるね。最初は二人の掛け合いを楽しんでたのに、最後にはミナレが次に何を喋るのかまで気になって仕方なかった。

マキエの告白より、中原の返しで頭を抱えた

ミコ:マキエが飲酒の勢いも借りて中原に気持ちを伝えるところ、ついに来たって思ったよ。ずっと抱えてたものが出たのに、すっきりするどころか余計に心配になった。
ユナ:心配になるの分かるけど、私は中原の返しで完全に予想を外された。そこでそんな方向へ行くのって感じで、真面目なのか天然なのか分からなくて頭を抱えたよ。
サキ:中原のあの感じ、もう「今それ言う!?」って声が出そうだった! マキエが勇気を出した直後だから、噛み合わなさが余計につらくて、笑うにも笑えなかったな。
ミコ:噛み合わない二人を見てると、好きって伝えれば解決するほど簡単じゃないんだよね。マキエがボイジャーを去ったことまで考えると、思った以上に切実に感じた。
ユナ:それもあるけど、中原だけを責める気にもなれなかったな。本人なりに考えて口にしてるっぽいのに、肝心なところで相手が欲しい言葉から外れていくのが彼らしい。
サキ:彼らしいから余計につらいんだよ! 悪意があるなら怒って終われるのに、そうじゃないからマキエも気持ちを切れないんだろうなって思うと、こっちまで疲れちゃう。
ミコ:疲れる関係ではあるけど、ボイジャー2号店の話まで絡んでるから恋愛だけでは済まないよね。店のこれからと二人の距離がどう重なるのか、私はそこも気になった。
ユナ:店の変化でいうと、マキエがいなくなることで周囲の空気も変わりそうだよね。本人同士だけの問題に見えて、ボイジャーという居場所にも響いてくる感じがしたな。
サキ:居場所って言われると戻ってきてほしくなるなあ。すぐ中原と結ばれなくてもいいから、マキエが誰かへの思いだけじゃなく、自分で落ち着ける場所を選んでほしい。

ミナレの釧路時代、さらっと出すには濃すぎない?

ミコ:ミナレの昔の話が出てきたとき、今の性格なら学生時代も騒がしかっただろうとは思ってたけど、釧路時代の濃さには笑った。もっと丸ごと読ませてほしいよね。
ユナ:その濃さも面白いけど、私は今のミナレが突然できあがった人じゃないって感じられたのが良かった。過去を知ると、あの妙な度胸にも少し納得できる気がする。
サキ:度胸の理由は分かるんだけど、昔から普通の青春で終わる気配がないのがミナレすぎる! 初恋とか学生生活って言葉から想像する空気と違いすぎて笑っちゃったよ。
ミコ:青春の話からあの方向へ転がるの、本当にこの作品らしいよね。昔の出来事まで笑い話に変えて喋れそうなのが、今のミナレのラジオにもつながってるのかもしれない。
ユナ:むしろ私は、何でも笑い話にできるように見えるところが少し怖くなったな。本人の中ではまだ整理できてないことまで、喋ることで先に処理してそうに見える時がある。
サキ:それ言われると急に心配になる! ミナレって強烈だから忘れがちだけど、傷つかない人ではないんだよね。笑わせられる人ほど、黙った瞬間が気になっちゃうな。
ミコ:黙った瞬間まで想像すると、シセルとの出会いも違って見えてくるね。喋ることを仕事にするなら、自分の過去をどこまで言葉にするかも避けられないのかも。
ユナ:そこから考えると、今回のミナレは喋りの技術だけを学んだわけじゃなさそう。誰かの人生を受け止めて、それをどう言葉に返すかまで考え始めたように見えたよ。
サキ:そう思うと昔のミナレをもっと知りたくなるね! 笑える過去だけじゃなく、今の喋り方につながった出来事まで描かれたら、たぶん印象がまた変わりそう。

久連木のところに現れた女性、最後にそれ置いていくの?

ミコ:久連木の下宿へ行ったら謎の女性がいるって、最後に急に別の扉を開けられた気分だった。シセルやマキエで頭がいっぱいなのに、さらに気になる人を増やさないでほしい。
ユナ:謎の女性も気になるけど、私は久連木をめぐる昔の話の重さが残ったな。時代遅れだと指摘されることと、その人が生きてきた時間を否定することは違うよね。
サキ:その違い、今回はかなり苦しく感じた。ミナレの言葉って普段は痛快なのに、それが誰かの心へ予想以上に深く刺さったかもしれないと思うと、素直に笑えなかった。
ミコ:笑えないところまで踏み込んだのが印象的だったね。言った側にはそこまでの意図がなくても、受け取る側の人生までは選べないって、ラジオの話ともつながる気がした。
ユナ:ラジオにつながるのは確かにあるかも。誰かへ届く言葉は、発した瞬間に自分だけのものじゃなくなるし、ミナレがその怖さと今後どう付き合うのか気になったな。
サキ:怖さを知ってミナレが急におとなしくなるのは嫌だけどね! あの遠慮のなさは残したまま、言葉の先にいる人まで少し見えるようになったら私は嬉しいかも。
ミコ:おとなしくなったらミナレじゃないもんね。だからこそシセルから受け取ったものが、毒舌を薄めるんじゃなく喋りをもっと深くする方向へ働いてほしいと思った。
ユナ:その先に久連木の問題も絡みそうだし、謎の女性まで出てきたから次はかなり動きそう。今巻で散らばった話がどこで接続するのか、そこを見届けたくなったよ。
サキ:接続した瞬間また大騒ぎになりそうで楽しみ! マキエたちも久連木も放っておけないけど、最後はやっぱりミナレが何を喋るのか、それを一番聞きたいんだよね。

12巻は、ミナレらしい会話の勢いを残しながら、ラジオと言葉が人に届くことの重さまでじわっと考えさせられる一冊でした。
シセルとの対話やマキエと中原のすれ違い、濃すぎるミナレの過去など、違う方向へ転がる話が次々と出てくるのも楽しいところ。
軽妙な掛け合いだけでなく、言葉の危うさまで味わいたい人におすすめです。
謎の女性や久連木の問題がどう動き、ミナレの喋りがさらにどう変わるのか、次巻が気になります。

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